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病院薬剤師31歳の初めての転職。準備の大切さと給与交渉の落とし穴【履歴書・面接対策】

目次

1.今回インタビューしたのはこんな人

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薬剤師Eさんのプロフィール

──まず簡単に自己紹介をお願いします。

Eさん:薬剤師歴8年目です。新卒から7年間勤めた病院を退職し、地元を離れて九州の療養型病院に転職して約半年が経ったところです。

──今回が初めての転職だったんですね。理由は何だったんでしょうか?

働く環境を変えたかったのが一番の理由です。

以前の職場は60床ほどの小規模病院で、整形外科の患者さんがメインだったため短期間で入退院される方がほとんどでした。高齢者も多かったですが、退院して在宅に戻る、もしくは回復期や療養型の病院に転院される方が多く、“その先”をどう過ごしているかが見えない環境でした。高齢化が進む今の日本で、お看取りまで含めて最後まで患者さんをみる、薬剤師の立場で支えていきたいというのが、療養型の病院を選んだ理由です。

あとはコロナ禍を経て働き方に対する考えが変わったのも一因ですね。

──といいますと?

世間ではリモートワークが普及したり、病院では電子カルテの導入が進んだりといろいろな変化がありましたよね。前職の病院でもそういった動きが起きるかと期待しましたが、残念ながら変わりませんでした。

なので転職先を選ぶ際には、時代に合わせて経営やシステムも柔軟に変えているかどうかを見るようにしました。

──現場の業務から組織運営までと全体を考慮したんですね。そのほかにも職場選びの基準はありましたか?

2年ほど前から副業を始めたので、年間休日数を重視しましたね。収入は自分の頑張り次第で変えられますが、自由時間(休日数)はあとからは変えられない部分なので。

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Eさん インタビューの様子
オンラインインタビューでの背景画像はEさんの副業ブログで使用しているグラフィック。薬剤師の転職に関する情報発信をしている

──“時は金なり”ですね。転職先はどう探しましたか?

最初は転職エージェントを利用していましたが、紹介してもらえる求人数に限りがあることを知ってからは、求人サイトを使って自分で探し応募するようになりました。ジョブメドレーさんも活用していましたよ。

4件ほど応募して、求人サイト上のメッセージでやり取りをしました。その中から2つの病院の面接に進んで、両院とも内定を頂くことができました。

──2件は選考には至らなかったんですね。

はい、メッセージ上で採用担当の方に質問を送って、面接を受けるかどうかを判断しました。電子カルテを導入しているかどうかと、企業年金の有無などの労務まわりについて質問して、希望に合わない場合は選考に進みませんでした。

こういった法人全体の話などは採用担当の方でもわかるので、面接ではなく事前のメッセージなどを通じて確認しておくと効率がいいと思います。

──転職活動期間は2ヶ月とのことですが、職場にはいつ退職意向を伝えましたか?

上司に伝えたのは内定が出てからです。転職先が決まる前に話すと引き止められると思ったので。

9月に転職活動を開始して11月に内定を頂いたので、そのときに退職を伝えました。そこから2月末まで働き、3月は有給消化期間。新年度から入職というスケジュールでした。前職は平日の固定休があったので面接の予定も入れやすかったです。

2.薬剤師の履歴書・職務経歴書(実例)

〈履歴書〉

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薬剤師Eさんの履歴書実例
 

※証明写真は取材用のものに変更しています


〈職務経歴書〉

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薬剤師Eさんの職務経歴書 実例

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薬剤師Eさんの職務経歴書 実例

──こちらは現職に提出された履歴書と職務経歴書ですね。書類を手書きするかパソコンを使うかは迷いませんでしたか?

迷わずパソコンでしたね、自分の手書きでいい印象を与えられるとは思わなかったので。

書類のテンプレートはネットで検索して見つけました。

──履歴書の志望動機欄はどんな点を意識しましたか?

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薬剤師Eさんの履歴書実例「志望動機」

ホームページで病院の理念や取り組みを調べて、魅力に感じたことや共感できるところを盛り込むようにしました。どこにでも通用するような内容ではなく、その職場ならではのポイントを入れるのが重要だと思います。

──自身の強みなどについては触れなかったんですね。

そうですね、私は薬剤師資格しか持っていないので、スキル面では認定薬剤師や専門薬剤師などを持った人には敵わないと考え、価値観などのソフト面を押し出す形にしました。

あとは職務経歴書もあるので、そちらの自己PR欄では患者さんとのコミュニケーションや多職種連携についてアピールするようにしましたよ。

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薬剤師Eさんの職務経歴書 実例「自己PR」

職務経歴書は処方箋枚数やマネジメント人数などの数字を載せて、具体的に情報が伝わるよう心がけました

──履歴書の写真についてはどうでしょう? どちらで撮影しましたか?

カメラのキタムラで撮影しました。最近はスマホのアプリで証明写真も撮影もできますが、やはりクオリティが違いますし、こういった細部に姿勢が表れると思うのでお店を選びました。服装はもちろん、スーツです。

ジョブメドレーからのアドバイス

今回の履歴書の「改善点」「良い点」は以下のとおりです。ぜひ参考にしてみてください。

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薬剤師Eさんの履歴書実例の添削

(1)改善点

  • 学歴と職歴は分けて記載すると丁寧です。それぞれ最初の一行に「学歴(職歴)」と書き、その下に具体的な経歴を記載します。
  • 学歴は学校名だけでなく、学部・学科も記載しましょう。
  • 職歴の最後の行には「現在に至る」と書き、その一行下に右寄せで「以上」と記入します。退職日が決まっている場合は「現在に至る」の隣に「◯月◯日退職予定」と併記しましょう。

(2)良い点
給与などの待遇面の希望は、選考が進んだ段階で担当者に直接交渉することが一般的です。絶対に譲れない勤務条件などがある場合を除き、本人希望欄は「貴院(貴社)の規定に従います」と記入すると良いでしょう。

3.薬剤師の面接対策

──続いて面接についてです。面接は何回で、面接官は何名でしたか?

遠方からの面接だったので1回限りで、面接官は所属長と事務員の2名でした。

──どんな質問をされましたか?

「薬剤師としての経歴」「志望理由」「入職後に挑戦してみたいこと」などを聞かれました。履歴書や職務経歴書に書いた内容もあるので、話す内容と差異がないように意識しましたね。

入職後にしたいことについては、とくに気をつけて話しました。前職で整形外科が専門だったので、そちらのグループ病院を勧められそうになったんですが、療養型病院で挑戦したいことを改めて伝えました。

──Eさんから逆質問はしましたか?

面接対策について調べるなかで、逆質問は重要だと目にしていたので、入念に準備していきました。現場レベルでの具体的な対応についてだとか、ホームページに載っていた情報について気になる点を深掘りして聞くなどですね。

例えば、その病院の過去の受賞歴を見て、具体的にどんな取り組みをしているのか聞いたりしました。

──受賞歴からの質問ですか。たしかにその職場の強みや力を入れていることを知るのに良さそうですね。それで面接の結果はどのくらいで出ましたか?

面接後だいたい1週間くらいで内定を頂きました。

……ただ実は、今の病院は一度内定を辞退していて、再内定で決まったんですよね。

──え、一度辞退されたんですか?

そうなんです。もともとはもうひとつ内定を頂いたほうの病院で就職するつもりだったんですが、給与交渉がうまくいかず白紙に戻りました

──提示された金額に納得がいかなかったと?

金額自体に問題があったわけではなく、交渉の仕方がまずかったと言いますか……。当時は給与の仕組みをよくわかっておらず、基本給や手当の内訳などについていろいろと細かく聞きすぎたせいか先方との間に軋轢が生じてしまって。「入社後にも支障が出ると思います」と言われてしまいました。

それで現職には再内定制度があったので、改めて就職を希望する連絡を入れて、再内定を頂いたという経緯です。

反省点としては、あまりにも正直に自分の要望を伝えすぎたということですね。要望を伝えるにも角の立たない言い方にしたり、その後に支障の出ない範囲を見極めたりすることが重要だと学びました。

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Eさん インタビューの様子
「待遇面の交渉は慎重にしたほうがいいと身をもって学びました」

──では最後に、これから転職を考えている人に向けてアドバイスがあればお願いします。

初めての転職活動で反省する点もありましたが、事前の情報収集のおかげでしっかり対策できたことも多かったと思います。自分の経験やスキルから志望動機や自己PRを考えること、逆質問を用意すること、入職希望時期から逆算して転職スケジュールを立てることなどです。

転職活動は準備したことが結果につながりやすいと思うので、しっかり対策をして臨んでください!応援しています。

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